ヨンマルマル

四百字詰原稿用紙一枚分の雑記

いだてん〜東京オリムピック噺〜「金栗四三篇」②

 シマちゃんと並んで好きなキャラクターであり、かつクドカン作品らしかったのは古今亭志ん生の青年期を演じた森山未來。とにかくダメでずぼらで酒飲みで自堕落なのだけど、その人間臭さが素晴らしい。特に師匠(松尾スズキ)との別離のシーンは、不器用に過ぎる男2人のいじましさに号泣しました。男の男らしくなさや弱々しさの描き出しも、クドカン作品の大事な特徴。そんな男たちと、シマちゃんを初めとした「近代化する社会に対して雄々しく自己主張する女子」(実際に黒島結菜が叫んでた)が、絶妙といえるコントラストで描かれていくのが、本作の希有な魅力と言えるのかも。
『いだてん』に関して「視聴率が振るわなかった」というニュースばかりなのは、残念だし腹立たしい。しかし『あまちゃん』だって視聴率とは別の意味で(後続する番組への影響も含めて)伝説の朝ドラになった。本作もきっと、そうなるのではないか。というところで、後半も期待大。(400字)