ヨンマルマル

四百字詰原稿用紙一枚分の雑記

いだてん〜東京オリムピック噺〜「金栗四三篇」まで①

 リアタイ視聴ができなかった2019年のNHK大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』、年末年始の休みを利用して一気見。まずは前半「金栗四三篇」まで。正直、金栗がストックホルム五輪に敗退して、さらに雪辱を期したアントワープ五輪でもメダルを逃すというエピソードにまで至っても、まだ気持ちは乗っていませんでした。なんだか全体的に元気すぎるというか……。宮藤官九郎作品の狂信者としては、漠然とした不満感が強かったのです。しかし。
 金栗四三に憧れつつ「女子がスポーツできないこと」と戦うシマちゃん(杉咲花)は、ずっと気になる推しキャラだったのですが、彼女が中心になってからは一気にクドカン節が炸裂した感がありました。宮藤官九郎作品の最大の魅力のひとつは「上手くいかない人を描く」だと思っています。五輪に2度敗退した金栗と、自らは競技者になれなかったシマちゃんは、正にその部分を体現するキャラクターでした。(続く)(400字)