ヨンマルマル

四百字詰原稿用紙一枚分の雑記

グッドフェローズ

アイリッシュマン』を観た流れで、未履修だったため鑑賞。監督は同じスコセッシで、ヘンリー・ヒルレイ・リオッタ)という実在するマフィアの準構成員(彼は純粋なイタリア系ではないため正規の構成員ではない)を主人公に、その成り上がりと転落、およびジミー(ロバート・デ・ニーロ)とトミー(ジョー・ペシ)との友情らしき絆、そして崩壊が描かれる。
 観終わって、どうしてマフィア的なものに憧れてしまうのかを考えた。ヘンリーのワイズガイ(ヤクザ者)としての成功は作品前半で華々しく提示されるが、ヤク中になり破門され友人さえも失っていく後半は哀れだ。しかし、この上げて落とす構造そのものが憧れを生むのかもしれない。暗黒街という非日常のドラマを見せられるだけでは、日常に生きる私たちはただ不安になってしまうだけだ。登場人物が成り上がった分の落とし前を劇中でつけられて初めて、観る側としてのバランスが取れるのではないか。(400字)2019年12月14日鑑賞

[スタッフ&キャスト]
監督 マーティン・スコセッシ
脚本 ニコラス・ピレッジ(原作は彼の『Wiseguy』)、マーティン・スコセッシ
主演 ヘンリー・ヒルレイ・リオッタ
ジミー/ロバート・デ・ニーロ
トミー/ジョー・ペシ
カレン・ヒル/ロレイン・ブラッコ