ヨンマルマル

四百字詰原稿用紙一枚分の雑記

最高のプロット、最高のママ/映画『ジョジョ・ラビット』

 ヒトラーがイマジナリーフレンドとして現れるぐらい、ナチスにどっぷりな10歳児ジョジョ・ベッツラー。彼の自宅の屋根裏に隠れていたのは、美しいユダヤ人の少女・エルサだった……。プロットとしては完璧です。しかし物足りなさがだいぶ残ったというのが、正直な感想であります。最大の理由は、ジョジョが自発的に何もしていないこと、あるいはそのように見えること。加えて、戦争という状況に対して、彼が(物語上の)責任を取っていないこと。「ジョジョが子どもだから、色々仕方ない」というのは、違うと思う、私は。
 とはいえ、スカヨハ演じるお母さんがとにかく強烈だったのは特筆すべき。ジョジョの前で暖炉の炭を顔に塗りたくり、出征した夫の真似をして叱りつけるシーンをはじめ、奔放でチャーミングなキャラ、最高でした。そしてお洒落だった(特に靴と帽子)。
 コメディなのかそうでないのか、振り切れなかったところにも問題はあるのやも。(400字)

[スタッフ&キャスト]
監督&脚本&アドルフ(役) タイカ・ワイティティ
原作 クリスティン・ルーネンズ「Caiging Skies」
ジョジョ(主人公) ローマン・グリフィン・デイヴィス
エルサ(ユダヤの少女) トーマシン・マッケンジー
ミス・ラーム(渡辺直美みたいな人) レベル・ウィルソン
クレンチェンドルフ大尉(昼行灯的カッコいいおじさん) サム・ロックウェル
ロージー(ジョジョの母) スカーレット・ヨハンソン

https://youtu.be/L4rFW69Ypk0
↑トレーラーにはプロットの良さが素晴らしくまとまってます