ヨンマルマル

四百字詰原稿用紙一枚分の雑記

ジョーカー

 今回のエントリはネタバレを含みます。
 大ヒットで超話題になっている本作『ジョーカー』。観に行くのが遅れてしまい、色々な情報が先にインプットされてしまっており。特に「信頼できない語り手の物語」であることを事前に聞いていたため、アーサー(ホアキン・フェニックス)への感情移入度が低くなってしまった……反省。
 しかしその点を差っ引いても、傑作だったことは確かで。虚実をないまぜにして観客に語る(観客を騙る)アーサーが演じ切った、とても美しい虚構を魅せつけられた……と感じた。ノンフィクション的ではなく、極めてフィクション的。あと彼は異常でも病気でもなくて、ただ、演者としての己を全うしただけ、だとも思う。併せて、踊っていないパートも踊っているようなホアキンの身体の動きは、非常に気色悪くて美麗で、全体がコンテンポラリーダンス(あるいは舞踏)的でもあった。
 結論として、やっぱりジョーカーはカッコいい。(400字)(2019年11月3日鑑賞)

[スタッフ&キャスト]
監督 トッド・フィリップス
脚本 トッド・フィリップス、スコット・シルヴァー
主演 アーサー・フレック/ホアキン・フェニックス
マレー・フランクリン/ロバート・デ・ニーロ
ソフィー・デュモンド/ザジー・ビーツ
ペニー・フレック/フランセス・コンロイ