ヨンマルマル

四百字詰原稿用紙一枚分の雑記

カンボジア若手短編集

 東京国際映画祭にて。ホームレスの親子を撮った『ABCなんて知らない』、クメール・ルージュ時代に強制結婚させられた夫婦を描いた『三輪』、農村と近親相姦がテーマの『赤インク』、金に翻弄される女性の実験作品『20ドル』の計四本立て。
 明らかに自分はカンボジアの映像表現のレベルを舐めていて、本当に失礼いたしました。どの作品も画作りが丁寧で美しいのだけれど、出色は『赤インク』。他三作が首都プノンペンを舞台にしてしたのに対して、同作だけは都市を離れた地方の農村、その田園風景が精緻に映し取られていた。光が本当に素晴らしい。自然光が生み出すシーンは、奇跡みたいなものだ。
 不満があるとすれば、キャストの演技だろうか。ドキュメンタリー的な作品は別として、明らかなフィクション作品に関しては、もうちょっと頑張ってほしいなあと。そして演者が補完されれば、次の瞬間から普通に世界へ通用するレベルに跳ね上がるだろう。(400字)

http://2017.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=175