ヨンマルマル

四百字詰原稿用紙一枚分の雑記

2019年7月から9月までの映画100字短評まとめ

 自分に対する懺悔以外なにものでも無いのですが、夏以降の観た映画の感想もヨンマルマルにまとめきれず……。6月と10月は鑑賞無しです。今後は観たらすぐに(その日のうちに)書くようルーチン化したい、などと思いつつ。

ミツバチのささやき』2019年8月5日鑑賞
原題は「蜜蜂の巣箱の聖霊(spirit)」なので、ささやきという言葉がミスリードを招く気も。子どもの頃に見るものや触れるものを、丁寧に映像へと掬い取った美しい作品。あるいは死を見ることそのものの描出。
【補足】仕事の関係で鑑賞。スペイン映画をちゃんと観るのははじめてか。寒々とした荒野の遠景が 印象的に映し出されるカットがいくつかり、それが記憶に残っている。ちなみにストリーミングサービスでは観られなかったので、いつ振りかわからないぐらいにTSUTAYAでレンタル。
[スタッフ&キャスト]
監督 ヴィクトル・エリセ
脚本 ヴィクトル・エリセ
主演 アナ・トレント

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』2019年9月8日鑑賞
音楽が良かった……。「1969年のハリウッド」というワンダーランドを蘇生させるための楽曲の魔法。知らない曲ばかりではあったけど、プレイボーイマンションのパーティーシーンと併せて、キラキラしていて泣けた。
【補足】こちらも仕事関係で熱烈なおすすめがあって鑑賞。映画らしい映画を観た……というのが最も率直な感想か。サントラはしばらくヘビロテしていました。
【(Filmarksでの)補足】
とにかく観終わった後も不思議な多幸感に包まれていて。フィクションで現実ぶん殴るのってすごく勇気がいることで、すごく痛快で、とにかく最高だった。あとはディカプリオさんとブラピさんの「やや枯れ」感の素晴らしさよ……。どん詰まってて、どうしようもなくても、それでも「がんばるしかねぇなぁ」と、よっこらやっていく2人が良過ぎる。こんなカッコいいおっさん、憧れますよそれは……。(そりゃ世界でもトップクラスのカッコいいおっさんですけど)
[スタッフ&キャスト]
監督&脚本 クエンティーン・タランティーノ
主演 レオナルド・ディカプリオ
ブラッド・ピット
マーゴット・ロビー

『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』2019年9月16日鑑賞
シンプルだけど力強い物語。それは画作りにも現れていて。柔らかく優しい色彩の中に、ハッとするティテールが現れる感動。アニメーションの美を改めて感じさせられた佳品。あと、とにかくサーシャが凛として可愛い。
【補足】しかし、途中でオチが完全に見えてしまうなあ、とも。尺も決して長くはないので、良くも悪くも物語がコンパクトにまとまっていた。もうひとひねりあっても良いのか。
[スタッフ&キャスト]
監督 レミ・シェイエ
脚本 クレア・パオレッティ
主演 クリスタ・テレ他

イングロリアス・バスターズ』2019年9月16日鑑賞
ワンハリとの比較の文脈で必ず登場する作品につき、遅まきながら鑑賞。タラさんの映画愛を深く感じた。そして、理不尽な悪に対する怒りも。冒頭シーン、中盤の坂場シーンなど、とにかく緊張感マックスの演出が出色。
【(Filmarksでの)補足】
イングロリアス(名誉なき)という言葉は、バスターズだけではなくて、作品全体に掛かっているのかなあと思う。ナチも連合国もスパイも英雄も何もかも、すべてが「名誉なき」存在であるということを喝破したかったのかも。ブラピがヒーロー過ぎない(アンチヒーロー過ぎもしない)ところも良かったなあ。ナチ狩りだけにフォーカスしていないところも良かった。どいつもこいつもどうしようもないクソであったとしても、それでもこの世界を生きていかなければならないのであれば、一体何ができるのだろう、という大きな問いを感じる。
【補足の補足】
タラさんをこよなく愛する友人からの指摘では「シナリオが破綻している部分がある(だが、それでも猛烈に面白いのだ)」とのこと、なるほど。型どおりの勧善懲悪ではなく、また破調的な破綻もあることが、作品の魅力(愛嬌?)にもなっているのか。
[スタッフ&キャスト]
監督&脚本 クエンティーン・タランティーノ
主演 ブラッド・ピット
メラニー・ロランなど

『天気の子』2019年9月26日鑑賞
※感想未記述(色々理由があって書けず。面白くなかったわけでは決してない、むしろ傑作。期を改めて書きたい。もう一回劇場で見たいなあ)