ヨンマルマル

四百字詰原稿用紙一枚分の雑記

女の一生

 新劇、というらしい。そんなことも知らないで観たのかと言われそうだが、そんなことも知らないで観ました。明治の終わり、日露戦争の旅順陥落の日に拾われた少女が、やがて女実業家として身を起こしていくが、愛する人とは一緒になれず、後に連れ添った旦那とは別居。親族にも娘にも去られて……という「女の一生」が描かれる。あらすじを書き出すと実に「朝ドラ」的だ。というか逆で、朝ドラが「女の一生」リスペクトでつくられているのだろう。モーパッサンとは関係ない。
 良いなあと感じたのは台詞回し。明治言葉や大正、昭和の言葉。もちろんそのまま再現されているわけではないないのだろうが「ごめんしてください」など、今では使われない言い回しがノスタルジックで素敵だった。また、劇中で出てくるダンス「カドリイル」は、四組のカップルがスクエアになって踊る社交ダンスだとか。あ、いちおうカップルは四組出てくるのか……。(死者も含めれば)(四〇〇)

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