ヨンマルマル

四百字詰原稿用紙一枚分の雑記

チルドレン

 メルトダウンした原発というカタストロフに直面した、たった三人の登場人物によるシンプルなお芝居。ルーシー・カークウッド作、演出は栗山民也。栗山演出は1月に『アンチゴーヌ』を観ていて。観劇初心者の自分には言語化するのが難しいのだけれど、頭のどこかで「演劇ではこういうものが観たい」という(勝手に思い込んでいる)ものをストレートに見せて頂いている、そんな感想を持っています。完全には映像的でない物語の提示、とでも言えばのいいだろうか。
 パンフレットを開いたところに書いてあるセリフ、「世界が完全に崩壊しないためには、わたしたち、ただ欲しいからって何もかも手に入れるわけにはいかない」は、ズズンとに心に落ちてくる。あるいは10代や20代の頃であれば、欲しいものを欲しいだけ欲しがって何が悪い? と居直っていたかもしれない。まあ30代になっても少しあるけれど。だから何が本当に欲しいものか、知ることは大事だ。(四〇〇)

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