ヨンマルマル

四百字詰原稿用紙一枚分の雑記

Ank: a mirroring ape

 SFやファンタジーといった作品を強烈に定義するのは単語だ、神は細部に宿る。だから「京都暴動(キョウト・ライオット)という言葉を創造した時点で、この作品は勝利している。京都という語と暴動という語の取り合わせの悪さ、ゾクゾクする違和感、素晴らしい。
 とはいえ。それ以上でもそれ以下でも無い作品であったというのも、素直な感想。太秦を、金閣寺を、京都御苑を背景に暴走するライオッターたちは刺激的で、『アイアムアヒーロー』の清水寺を想起させたり『GANTZ』大阪編を思い出させたりするのだが、それらの作品以上にジャンプはしていない。
 カタルシスが欲しかった。未曾有の災厄を人類が打ち倒す様が読みたかった。ベタな展開と言われればそれまでだが、ベッタベタを期待したのだ。いけないことだろうか。主人公たち個々人のライフヒストリーがやや丁寧に描かれる割には、後半の展開へ積極的に寄与していないのも不満の残るところ。(400字)

 

 

Ank: a mirroring ape

Ank: a mirroring ape