ヨンマルマル

四百字詰原稿用紙一枚分の雑記

おんな城主直虎 第三十回「潰されざる者」

 今川が本気を出せばすぐにでも井伊を取り潰すことができるという、シンプルで残酷な現実。それが改めて明らかになった放送回。どうしても今川家っていうのは、桶狭間で負けた家という印象が強いので、色々言い掛かりをつけてきていても、実は大したことないのだろう、何とかなるのだろう……と思ってしまいがちだった。けれども実際問題、このとき駿河遠江を治めていた大名家は今川家であり、西の徳川、北の武田、東の北条、いずれの大名家とも渡り合い均衡を保ってきているのだ。井伊谷の小さな国人領主のひとりが抗ったところで、巨獣に刃向かう蟻に等しい。
 だからこそ、政次の悲愴な決意が、刃を抜かせたのだろう。もはや小細工の段階ではない。そもそも今川家自体が存亡の危機に晒されている、そういう時勢なのだから。そんな政次の姿と呼応するかのような、直虎の「今川の下より這い出るまで〜」「大死一番絶後再甦」のセリフが、特に印象に残った。(400字)